高齢者医療を中心に地域医療に貢献されている、蒲郡厚生館病院様。職員健診を中心に協会けんぽにも対応。帳票の工夫でミスをなくすようにするなど、診療と並行して行う健診サービスの業務効率向上を図られています。
国の天然記念物に指定される竹島を望む、風光明媚な三河湾に隣接したエリアで、100年以上にわたり地域医療に貢献する蒲郡厚生館病院様。
東三河地域で最初の民間総合病院として開設され、現在では蒲郡市内で唯一の回復期リハビリテーション病棟を持つ施設です。
2019年より、介護老人保健施設を含んだ医療法人北辰会として、日本各地で高齢者施設や療養病床を運営する湖山医療福祉グループに参加されています。
『iD-Heart』は2013年に「Ver.3」を導入され、2024年から最新バージョン「Ver.5」をご利用いただいています。
健診業務を担当されている医事課スタッフの皆様にお話を伺いました。
協会けんぽへの対応がきっかけに
医療法人北辰会の敷地内には、当院をはじめ、介護老人保健施設、通所リハビリ、デイサービス、高齢者向け住宅など、医療と介護が一体となったサービスが集結しています。
その中で当院は、回復期リハビリテーション病棟57床・医療療養病床49床を有し、ご高齢の患者様を中心に多く受け入れていることが特徴です。
グループ施設が一体となってサービスを提供
当院では協会けんぽ認定施設となる以前、一般の方の健診をあまり受け入れていませんでした。
健診サービスに取り組むようになったきっかけは、職員の健康保険組合を協会けんぽに移行したことです。
患者様へのケアを充実させるためには、まず、職員自身の健康管理が重要です。
そのためにも協会けんぽ認定施設として、高い水準での健診サービスを提供できる体制を整備しました。
さらに、協会けんぽへデータをスムーズに提出するには健診システムが必要でしたので、小規模施設への導入実績が豊富で、操作もわかりやすい「iD-Heart」を選択しました。
医療事務との兼任での対応
当院には、現在も健診センターのような専門部門はありません。
協会けんぽの認定を受けるにあたり、更衣室や受付など必要な条件を満たすよう環境を整備し、健診当日の測定や採血、検査は診療業務と並行して看護師や技師が対応しています。
事務部門も医事課スタッフが兼任しており、予約管理や帳票の作成などの作業はスタッフ6名で手分けしています。
受付窓口には健診と明記
スタッフの交代はあるものの、『iD-Heart』導入時にいなかった方でも、先輩やテクノアのサポートセンターにフォローを受けながら問題なく操作できるようになりました。
新人スタッフからも「操作性が良く、使いやすいシステム」と好評です。
受診者様には、患者様の診療と並行して健診を実施することをご理解いただいています。
診療と並行するため、受け入れ可能人数は1日10名ほどに制限していますが春先には多くのご予約をいただいています。
ミスを防ぐチェック体制と業務効率化の取り組み
受診票(計測記録用シート)は当日印刷して健診を実施、結果報告書は2週間ほどで返送します。
読影結果や臨床検査の結果は各部門で入力し、最終的なチェックを事務部門が複数回行うという流れです。
健診業務にまだ不慣れだった初期の頃は、誤入力がそのまま報告書に反映されてしまう事例もありました。
そこで複数回のチェック体制を導入し、ミスを最小限に抑えるよう工夫しています。
とくにレセプト業務で忙しくなる月末から翌月初の間は、時間的な余裕が乏しくなるため、データの誤記/誤入力防止は重要なテーマです。
その対策の一つとして、当日使用する受診票に前回の結果や注意事項を印刷し、大きな数値の変化がある場合は現場で即座に確認できる仕組みを整えました。
たとえば体重が60kgだった方が40kgと記載されていれば、スタッフが気づき、漏れなく修正できるようになっています。
こうした帳票のカスタマイズには、帳票作成ツール「ピタッと帳票」を活用し、サポートセンターと相談しながら運用しています。
帳票作成ツール「ピタッと帳票」
帳票活用による発送業務の改善と利便性向上
帳票の工夫は報告書などの発送業務にも生かされています。
導入前は汎用封筒に手書きで宛先を書き込んでいましたが、宛先ラベルの印刷機能が加わったことで作業負荷は軽減されました。
さらに、テクノアの提案で窓付き封筒を導入し、封入ミスによる送付先の取り違えを防止しています。
汎用封筒よりもコストはかかりますが、当院オリジナルデザインもできることから導入を決定しました。
発送には窓付き封筒を活用
また、『iD-Heart』に標準装備の発送管理機能を使っています。
これは発送物の宛先に印字したバーコードをスキャナで読み取り登録するものです。
「いつ発送したか」を記録できるほか、他団体の送付物を誤って入れてしまうリスクも削減できました。
登録作業は増えたものの、問い合わせ対応がしやすくなり、総合的に業務効率が向上しています。
受診者サービスの充実と継続的な『iD-Heart』活用
当院では業務効率の追求だけでなく、受診者様へのサービス向上にも注力しています。
たとえば蒲郡市の住民健診は、蒲郡市医師会がとりまとめています。
専用のOCR用紙に記入して検体と一緒に医師会へ提出すると、受診者へ直接結果報告書が送られ、当院には結果が残りません。
そこで、自院で計測した結果を『iD-Heart』に入力し、次年度に来院された際に前年の計測数値と比較するため、受診票に印字するようにしました。
前年と明らかな違いがあった場合にはスタッフがその場で確認するのでミスも無くなり、受診者様からも間違いが無いと好評です。
住民健診の予約管理も行う
2024年の「Ver.5」アップグレードでは特定保健指導オプションも追加導入しました。
協会けんぽの被保険者をはじめとする皆様への保健指導をさらに強化する予定です。
もちろん職員の健康管理にもいっそう力を入れ、医療・介護・福祉サービスの質的向上を図ります。
今後も『iD-Heart』を活用しながら、地域に根ざした包括的なケアと、受診者様へのより良いサービス提供につなげていく方針です。
ご対応ありがとうございました。特定保健指導もご満足いただけるようサポートいたします。
施設情報
- 所在地
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愛知県蒲郡市栄町11-13
- 施設名
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医療法人北辰会 蒲郡厚生館病院
- 電話番号
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0533-69-3251
- URL
- 健診件数
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年間 約2,000件(2025年1月時点)
- ライセンス数
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5ライセンス