医療DXとは、保健・医療・介護のあらゆる場面で生まれる情報やデータを標準化し、クラウドなどの基盤で共有・活用することで、国民一人ひとりに最適な医療・ケアを提供しようという取り組みです。
データヘルスはその取り組みの一つです。
データヘルスとは、特定検診制度やレセプト(診療報酬明細書)の電子化によってデジタル化されたビッグデータを分析し、健康増進や病気の予防に活用しようとする取り組みのことです。
医療DXは単なる医療現場のIT化ではなく、 国民の健康寿命を延ばし、社会保障制度を持続可能なものにするという、日本の未来をかけた社会変革といえます。
■医療DXが目指す5つの未来
■医療DX推進の3つの柱
医療DXは、これらの柱を軸に、「医療DXの推進に関する工程表」に基づき着実に進められています。
医療DXは、国民の健康寿命延伸と社会保障制度の持続可能性を確保するために、様々な取り組みが進められています。ここでは、未来の医療を支える柱となる主要な施策を4つのカテゴリーに整理して解説します。
■基盤となるシステム
■効率化・標準化
■予防・健康増進
■研究開発
これらの取り組みは、医療現場の負担軽減、医療サービスの質向上、国民の健康意識向上などに繋がり、日本の医療の未来を大きく変えていく可能性を秘めています。
医療DXは、患者、医療関係者、そして社会全体に、様々なメリットをもたらします。医療DXは、医療現場の課題を解決し、国民一人ひとりが、より質の高い医療を、より身近に、安心して受けられる社会の実現を目指しています。
■医療を受ける側のメリット
■医療を提供する側のメリット
■社会全体のメリット
医療DXは、医療現場の課題を解決し、国民一人ひとりが、より質の高い医療を、より身近に、安心して受けられる社会の実現を目指しています。
特定健診は、メタボリックシンドロームの予防と早期発見に特化した健康診査です。
データヘルス改革によって、データ活用シーンが広がっています。
特定健診結果はXMLデータ形式で報告されており、そのデータは全国どこでも医師などに共有される仕組みづくりが行われています。
ただし、個人情報のキーとなるものは保険証番号であるため、保険証が変わった際のデータ連携については不明確な点があります。
2024年11月現在、健康診断(主には企業健診)や人間ドックの結果は医療DXに反映されていません。
企業健診は、労働安全衛生法に基づき、企業が従業員に対して実施することが義務付けられているものであり、特定健診とは異なります。
また、個人が自主的に受ける健診結果も反映されません。
これには複数の原因があります。
■主に考えられる理由
個人が持つデータ(健診結果)を個人がデータベースに登録して利用することは、現時点では困難と言えます。
それぞれが持っている情報の形態が異なるため、一元管理は現実的ではありません。
そこで政府は医療機関や健診期間でデータが作成される時点で共有させる方法、すなわち、マイナンバーをカギとして電子カルテの情報を共有する方法と同様の方式を検討しています。
厚生労働省ホームページ 医療DXについて
https://www.mhlw.go.jp/stf/iryoudx.html
現時点でも健診システムには保険証情報の登録する項目があります。
今後はこれに加え、マイナンバーの登録が必須となると思われます。
その際にはオンライン資格確認等システムネットワークとの連携が求められる可能性があります。
データ収集にあたっては電子カルテ等と同様に標準フォーマットが求められます。
独自のドックなどを提供されている施設などでは標準フォーマットへの変換が求められるなど、医療機関に負担がかかると思われます。
また、現状、集団健診などでは資格確認等行われていません。
集団健診業務の煩雑さを見ると、資格確認等のプロセスが入ることでスタッフの負担などが増大することが想定されています。
さらに、個人情報保護やセキュリティ対策など、解決すべき課題も多く、国民への丁寧な説明と理解促進が不可欠です。
データ共有だけでなく、業務効率を落とさない対応ができるよう各メーカーが取り組んでいく必要があります。
詳細については、各メーカーにお問い合わせください。