この記事の著者
iD-Heartコラム担当
医療情報技師、ITコーディネータ、マーケティング担当が執筆します。
「最新の健診システムを導入すれば、業務が効率化できるのは分かっている。でも、実際には何から手をつければいいのか…」
多くの医療機関で、日々忙しく健診業務に携わる医師や経営者の皆様にとって、システム導入は負担の大きいものです。
しかし、最新のシステムを導入しても、現状の課題やニーズを適切に捉えられていなければ、期待した効果を得られない可能性もあります。
そこで重要なのが、「ヒアリングシート」 を活用した、現状の業務フローや課題の可視化です。
本コラムでは、医師や経営者の皆様に向けて、ヒアリングシートを用いた健診業務の現状分析方法について解説します。
「システム導入はちょっと面倒だな…」と感じている方も、ぜひこの機会に、現状を見つめ直し、よりスムーズで効率的な健診業務の実現を目指しましょう。
なぜ、現状分析が重要なのか?
私たちは、日々の業務に追われる中で、非効率な手順や潜在的な問題点に気づきにくいものです。
健診システム導入を検討する際に、現状分析を行うことで、
- 本当に必要な機能が明確になる
- システム導入による効果を最大化できる
- 導入後のミスマッチやトラブルを防止できる
など、さまざまなメリットがあります。
私たちは、日々の業務に追われる中で、非効率な手順や潜在的な問題点に気づきにくいものです。
ベンダーからのヒアリングシート、その意図とは?
システム導入を検討し始めると、ベンダーから「ヒアリングシート」への記入を依頼されることがあります。
このヒアリングシート、実は、単なるアンケートではありません。
- 現状の健診業務フローを把握する
- 課題や非効率な点を洗い出す
- システム化によって解決できることを明確にする
- 医療機関の要望を具体的に聞き取る
など、さまざまな目的が込められています。
健康診断や診療における「問診票」が患者/受信者の症状や健康状態を知るためのものとして利用されるのと似ています。
つまり、ヒアリングシートは、現状を深く分析して最適なシステム導入を成功させるための最初のステップ と言えるのです。
ヒアリングシートで可視化する、健診業務のリアル
では、具体的にヒアリングシートにはどのような項目があり、どのように現状分析に役立つのでしょうか?
- 健診の種類と規模
どのような健診を、年間どれくらい実施しているのか?
コース内容やオプション検査の内容は?
これらを整理することで、システムに必要な機能や処理能力が見えてきます。 - 業務フロー詳細
予約受付から結果報告まで、どのような流れで業務が行われているのか?
各業務の担当者で所要時間や使用書類、情報共有方法などを細かく書き出すことで、非効率なプロセスや連携のうまくいっていない部分が見えてきます。 - 課題・要望
日々の業務で、どのようなことに困っているのか?
時間のかかる作業やミスが多い作業、分かりにくい手順など、具体的な課題を書き出すことで、システム導入で解決すべきポイントが明確になります。
ヒアリングシート記入のポイント
より効果的に現状分析を進めるためのポイントを3つご紹介します。
- 現場の声を聞く
実際に業務を行うスタッフの声を積極的に聞き取り、課題や要望を具体的にヒアリングシートに反映させることが重要です。 - 数字で可視化する
「待ち時間が長い」「ミスが多い」といった抽象的な表現ではなく、「待ち時間平均○分」「ミス発生件数○件/月」など、具体的な数値で現状を可視化することで、より効果的な改善策を検討できます。 - 理想の姿を描く
「システム導入によって、どんな健診業務を実現したいのか」という理想の姿を明確にすることで、システムに求める機能や操作性を具体的にイメージできます。
まとめ
ヒアリングシートは、単なる質問表ではなく、 健診業務の現状を多角的に分析し、「見える化」するための強力なツール です。
「業務フローの全体像を把握したい」「非効率な部分を特定したい」「スタッフの負担を減らしたい」「より正確でスピーディーな健診業務を実現したい」
このような悩みを持つ医師や経営者の皆様にとって、ヒアリングシートは現状を打破し、理想の健診業務を構築するためのきっかけとなるでしょう。
では、ヒアリングシートの内容とは?
次回以降のコラムでヒアリングシートの内容について解説します。