コラム | 総合健診支援システム iD-Heart

Excelで作る 健康診断・人間ドック 結果報告書

作成者: 株式会社テクノア|2023.10.24

エクセル形式の結果報告書を実際に作成する場合の注意事項や見やすい報告書のポイントなどを解説します。

小規模医療機関様のための健診業務ハンドブック

 

記載しなければならない内容

健康診断、人間ドックの結果報告書には記載しなければならない事項があります。
主に以下の内容が必要です。

 お名前や企業名などの情報
 問診項目
 測定結果
 検査所見
 検体検査結果
 所見コメント

一つひとつ、項目を確認していきます。

お名前や企業名などの情報

受診者のお名前だけでなく、生年月日/年齢や性別を掲載するのが一般的です。
また、多くの場合は団体(事業所)との契約の元に健康診断を行うため、団体名や実施コースを掲載します。
診察券番号(=個人コード)を掲載しておくと、次回以降来院時にその方のデータを探しやすくなります。

問診項目

既往歴や自覚症状、他覚症状などを記載します。
口頭ヒアリングで記載する場合もあります。
さらに詳細の状況をヒアリングする場合には別途、受診者に問診票を記載いただきます。

測定結果

身体計測や視力、聴力など、測定機器を使用して得られる結果です。
当日、受診者自身を計測するもので、自動計測機能を持った機器が広まっています。
専門資格者が居ないクリニックの場合、看護師により測定記録が行われています。

検査所見

心電図や胸部エックス線写真など、医師が確認した結果です。
読影/所見の結果、問題点があれば総括した内容を記載します。
さらに細かな所見がある場合には所見コメント欄を利用されます。

検体検査結果

採血や尿、便などの検体を細かく検査した結果です。
結果は検査センターからデータまたは紙で提供されます。
一般的には各項目をまとめた検査分類(判定グループ)としても判定を行う必要があります。

所見コメント

検査分類で判定の良くないものに対するコメントと健診結果に対する総合コメントです。
健康指導や二次検査受診勧奨など、受診者に伝えるべき重要な内容を記載します。
また、担当医師の氏名も必要です。

結果報告書の約束事

受診者に分かりやすくするため、結果報告書にはいくつかの約束事があります。

・検査項目はグループごとに記載する
身長、血圧、肝機能、体重、聴力と検査項目を羅列するだけのものは分かりにくいです。グループにまとめることで見やすくなります。

・基準値を記載する
検査基準値を記載することで、それらの結果がどれくらい「悪い」ものか分かります。検査基準値は検査センターから提供されるものもあります。

・判定を記載する

検査項目には判定基準の決められているものがありますので記載しましょう。人間ドック学会等で公開されている判定基準を使用します。

・判定基準を記載する
健康診断の判定(A~E)の意味することを記載しないと、受診者には分かりません。これらも人間ドック学会等で公開されているものに準拠しましょう。

・過去結果を記載する
前回受診時の数値を記載しておくことで、今回の健診結果と比較できます。過去比較ができないと受診者が自己の現状を理解できません。

日本人間ドック・予防医療学会 基本検査項目/判定区分

エクセルを利用して作成する場合のコツ

結果報告書をExcelで作ったことのある方に、作成時のコツを伺いました。

 1.最初に印刷設定でA4サイズを指定しておく
 2.右下の表示モードを「ページレイアウト」にする
 3.文字は11ポイントが標準、あまり小さくしすぎない
 4.位置調整など後から行う場合が多いのでセル結合は最後に行う
 5.項目名は事前に入力し、数値入力の際には半角入力で連続で行う 
 6.非表示機能は使わない
 7.ショートカットの使い方を知っておく(特にF2)

エクセルで結果報告書を作るメリット/デメリット

エクセルは最も広く利用されている表計算ソフトであるため、結果報告書を作る上で様々なメリットがあります。
しかし、健診の結果報告書には注意点も多くあり、それがデメリットになります。

【メリット】
・Excelは簡単に使えるソフトウェアなので作り方を覚えやすい
・注意する項目を太字にしたり、背景に個別に色付けするなどして、独自に注意を促しやすいデザインにできる
・印刷紙面と同じインターフェイスで入力できる
・項目の入れ替えなど、思った形にできる
 
【デメリット】
・様式全体のデザインを考える必要がある
・過去結果など、個別に登録しなければならない
・判定を自動にできない
・入力ミスがあってもチェックする機構がない
・複数人分作成するのに時間がかかる

健康診断と人間ドックは同じ報告書様式を使えない?

健康診断と人間ドックでは一般的に検査項目数が異なります。
人間ドックでは検査項目が健康診断の4倍以上あるとも言われます。
それだけ多くの項目数をA4サイズ1枚におさめようとするとフォントサイズが小さくなり、非常に分かりにくい帳票になります。
したがってテクノアでは人間ドックの結果報告書はA3サイズ以上を推奨しています。
実際には冊子のように複数枚のページを使って作成されいてる施設がほとんどです。

インターネットでダウンロードできる?

厚生労働省のWebサイトでは健康診断の種類(コース)ごとではなく、労働安全衛生規則や電離放射線障害防止規則など法律ごとに分かれた報告書が掲載されています。

主要様式ダウンロードコーナー (安全衛生関係主要様式)

法定様式と呼ばれる「様式第5号」はワード(Word)ファイル形式で提供されています。

 

無料で使える! iD-Heart標準帳票形式Excelテンプレート

テクノアではiD-Heartに標準搭載している結果報告書(健康診断A4サイズ、人間ドックA3サイズ)をエクセル形式のテンプレートとして無料公開しています。
帳票のデザインや内容を検討される時や帳票が必要な時、ダウンロードしてご確認ください。
 ※ご利用は医療機関の関係者の方に限定しています